あなたに出逢えてよかった。


そして、いつも通り授業が進み、昼休みになりまた鳴海の周りに人が集まり出した。

この席、周りに人が来ないから気に入ってたのに。

また、私が立ち上がると近くにいた人たちが避ける。

そして、何?みたいな目で見てくる。

いやいや、邪魔なのあなた達ですからね。

と、言おうと思ったがやめておいた。


「蛍、どこ行くんだよ。」


馴れ馴れしく呼ぶ声に私は立ち止まりもせず、


『とりあえず、あんたがいない場所。』


振り返りもせず教室から出ていくと、後ろからは私を批難する声が聞こえてくる。


「うわー、最低。どこいくかくらい教えてくれてもいいじゃんね?」

「そうそう。しかも、せっかく亜羅汰くんが話しかけてくれたのに。」

「亜羅汰くん!気にしなくていいんだよ?ね、私たちとご飯食べようよ。」


そんな声を後ろから受けながら私はその場をあとにした。