「・・・ありがとう」
素直にそういうことができた
そういえばこんな風に同い年の人と話すの久しぶりかもしれない
だって、今までずっと私は避けられてきたから
「じゃあ、これからこの一時間はそこの逢坂に質問とかしたいだろうからしていいぞ」
先生がそう言った後クラスの人達が薺の前に集まった。
「薺ってどこから来たんだ?」
「前の学校でサッカーしてたのー!?」
「好きな食べ物なに?」
・・・うるさい
私の席の近くでうるさくするのやめてほしい
「ボソちょっとあんた邪魔なんだけど」
ドンッ
クラスメイトの一人の女子が私を押した
なんで私がこんな目に合わなきゃいけないのかわかんない
だって、ここは私の席なのに
でも私は倒れこんではいなかった
「愛奈ちゃん大丈夫!?怪我してない!?」
倒れる直前薺が愛奈を受け止めていた
「あ、うん。大丈夫。逢坂君が手、引っ張ってくれたから怪我してない。」
「びっくりしたよもー。怪我したかと思ったじゃん」
「心配させたね。でも、助けてくれてありがとう」
この人はいい人かもしれない
そう思った
