「先生

もう誰もいませんよ」


「......」


今更だが緊張で心臓が飛び出しそうだ。



「先生?


きゃっ...」


ゆっくり顔をのぞき込む遥をぎゅっと抱きしめた。


「なんか先生らしくないですね」




一瞬は体を強ばらせたもののすぐ抱きしめ返してくれた。



「まさか、こんなに緊張するとはな」


フッと微笑むとゆっくり遥の前に箱を出した。