ゆいside

君がこうなることを俺は知っていたんだ

俺はこれが嫌い。

君の暗い顔、悲しい顔、辛い顔。
大嫌いだ

っ苛つく

何も食べないで細くなっていく体
俺の名前も一切呼ばない開かなくなった口
俺を移そうとしない瞳
俺の声なんて届かない耳
俺に触れてくれないその手。

嫌い。嫌い。嫌い。

雪によってどす黒くなってしまった
心の部屋。

俺がどんなに感情豊にして白くしようとしても

雪の感情に飲み込まれる
黒は広がるばかり。

ゆい「雪」

雪「…」

無表情のままピクリとも動かない横になったままの雪

ゆい「少しくらい食べて」

ほんとは無理やりにでも口に突っ込んでやりたいが
さすがに、食べ物をここにもってくるのはできない。

フワッ

また白をあたえようと試みる

雪の頬にふれる

雪「…ゃめて…」

ゆい「やめない」

雪「…き、たない、から」

ゆい「汚くない。俺の雪は綺麗だ」

真っ直ぐ雪の瞳をみるが
その瞳は俺をうつしてはくれない。闇だ