「という事なのだけど.... 、この仕事任せても大丈夫かしら?」

えーと、取りあえず内容の理解は出来たと思うんだけど。

「つまり、局長の甥御さんである名前使いの男の子を一定期間私が保護及び監視をすれば良いというわけですね?」

「ええ」

何かおかしくないか?

詩月さんも何か思う所があるらしく少し険しい顔をしている。

保護するにしても監視をするにしても、統制局が管理する保護施設があるし、わざわざ私が付く必要があるのか?

それに局長の甥というのも変だ。

あの面倒くさがりのダメな大人が身内の為だけに局の人員を割くか?

頭の中でぐるぐる考えている間に詩月さんに上手くまとめられ、断るにも断れず....。

「古賀さん、彼が片山遷之介〈カタヤマ センノスケ〉さんです」

オフィスの隣にある応接室から通された黒髪の彼はいかにも好青年という感じで、柔らかく微笑んで握手を求めた。

「よろしくお願いします」

「....よろしく」

まあ、なるようになるかな。