幼なじみの君に恋をしました



「…よし!いってきまーーす!!」


誰も返事はくれないけど、そう叫んで勢いよく家のドアを開ける。


私、水川さくらは今日から高校2年生!


両親は去年から海外でお仕事しててなかなか会えない。

だから高1の時から一人暮らししてるんだよね〜

初めは寂しくて寂しくて「あたしも海外行くっ!」とか言ってたんだけど…

それでもこんなに元気なのは…



「優〜!」

少し先でだるそうに歩いているスタイルの良い長身の男。

あたしの幼なじみの野村優。


背はあたしよりはるかに高い。
黒色の髪に色白の肌。
スラーっとした目だけど、どこか丸みを帯びている。 綺麗な鼻に薄めの唇。


本人は気づいてないかもしれないけど、学校一モテるとかいう噂までたってるくらい綺麗な顔立ちをしている。


恐ろしいくらいに学校では口数少ないんだけど、やっぱあたしの前だと結構話してくれると思う(?)


だって幼なじみだもんね。


でも、名前を呼んでも優は何故か振り向いてくれない。


あれ、、?



……イヤホンさしてんじゃん。

どおりで聞こえないよね。

あたしは優の所まで走って、勢いよくイヤホンを抜いた。



「…?!」



「おはよっ優。」

驚いている優を無視してあたしは声をかけた。


「….ん、はよ。」

そう言って、少し微笑んでイヤホンを再びさした。


…ねぇ、優。その微笑みは反則なんだよ。



優はあたしの事幼なじみとしか捉えてないかもしれない。




でもね




あたしは優に恋をしてるんだよ。






幼なじみの君に恋をしてしまったんだよ。