パパ達を見送りに来てくれて居た坂井芳人さんに連れられて私は立派な高層ビルのマンションに来ていた。


凄いマンション…

このマンション相当高いんじゃない？　坂井さんは何をしてる人なんだろう？


タクシーを降りマンションを見上げて呆けている亜美は坂井に「亜美ちゃん？」と声をかけられ亜美は我に返り慌てて「はい」と返事をして坂井の後に付いて行く。

マンションの玄関ロビーには白髪混じりの品の良いコンシェルジュの男性に「坂井様、おかえりなさいませ」と迎えられる。

「桐野さん、今日から暫くうちで預かる事になった立花亜美ちゃん宜しく頼むよ？」

「亜美様、桐野と申します。なにかお困りの事がありましたら何なりとご相談くださいませ」

コンシェルジュの桐野は優しい眼差しで亜美に微笑みを向けてくれた。


「よ、宜しくお願いします」


亜美は戸惑いながらも活き良いよく頭を下げる。