翼は亜美を座席に座らせると名刺を1枚麻美に差し出す。

「おー流石、御曹司だと高校生でも名刺持ってるんだ?」

「お前ね御曹司御曹司って言うなよな?」

「だって御曹司でしょ?」

「ああそうだよ!」と翼は面倒くさそうに答える。

「で、これ何?この名刺見せるとスターハートでタダになる?」

「なるか!?」

「なんだーじゃーいらない」

「分かったよ!貸せ裏書してやるよ!」

「あーうそうそ辞めとく!折角美味しいチョコリキサーが不味くなる」

「フッお前の媚びないとこ俺好きだよ!」

「私もキラキラ王子様キャラより今の俺様キャラの方が好きだよ!で、これなに?」

「俺の連絡先」

「ちょっとー私、好きだって言ったけどそう言う好きじゃないよ?親友の彼氏取る様な事しないよ?」

「ばっばか!俺だって女として好きって言った訳じゃないわ!亜美の怪我の容態を知らせるから森山の連絡先送れ」

「あーそう言うことね?」

「それから亜美は今俺の家に居るから」

「はぁ?同棲してるの?」

「アホ同棲じゃないわ!いや同棲か?とにかくそう言う事。誰にも言うなよ?じゃーな」

「ちょっとどういう事よー」

亜美達を載せた車は走りだしその場には驚きと当惑の声を出す麻美だけが残った。