「じゃ、翼はどうなるの?翼の事は誰が幸せにしてくれるの?亜美ちゃんは翼の事が好きなのよ!好きなら…」

「美智、やめなさい。翼が決めた事だ。」

「あなた!どうして!?翼が可哀想すぎるじゃない!大人ばかりの世界で笑顔無くしていた翼が亜美ちゃんに逢えて笑顔を取り戻したのに、また翼は…」

「美智、俺達が翼の事を心配して不憫に思うように、立花達だって大事な娘に苦労はさせたくないんだよ?分かるだろ?」

「でも…」

「母さん?俺は大丈夫、父さんや母さんが側に居てくれるから… それに小煩い兄貴代わりが居てくれる。なぁ?恭にぃ?」

俺は亜美との思い出があるから大丈夫だよ?

「小煩いは余分だ!どうせ小生意気なガキの相手は俺しか出来ないからな!ずっと側に居てやるよ!そして美姫との幸せを思いっきり見せびらかしてやるからな!覚悟しとけ!」

「未成年にラブシーンは見せるなよ?」

と、父さんが笑って言うと母さんも涙を拭いながら

「翼が寂しくなったら母さんが抱きしめてキスしてあげる!」と言ってくれる。

「みっちゃん、その時は俺にもキスしてよ?」と言う父さん。

皆んなでこうやって泣き笑いをした。

父さんには出来るだけ早く退院してマンションでは無く本家へ帰りたいと伝えた。

父さんもその方が良いだろうと言ってくれ、先生に退院の相談をして来ると言って母さんと一緒に病室を出て行った。

恭にぃはゴミ箱から俺の捨てた物を拾い、ベット横の棚に置かれている、まだ開けられていない亜美からのプレゼントの横に置いてくれた。

「翼、俺はまだ諦めないからな!きっと翼の足を治せる医者を探してやる!待ってろよ!」と言って病室を出て行った。

ありがとう恭にぃ…