その後、芳人さんと美智さんが駆けつけ、そして私のパパとママ、一史も駆けつけた。

パパとママは事故に合ったと連絡を受け駆けつけたが私の無事な姿を見ると安心した様だった。

「ママ…翼が…」

ママは私を抱きしめ、大丈夫、大丈夫よ!と私の背中を擦ってくれる。

「亜美ちゃん泣かないで?翼は強い子よ!こんな事で死んだりしない!」

美智さんは涙を堪え私を励ましてくれる。

一人息子が命の危機にあり、誰よりも辛いはずなのに…

美智さん…ごめんなさい… 


何時間経ったのだろう?外はすっかり暗くなっている。

途中一史と恭之助さんが飲み物とおにぎりを買って来てくれたけど、誰一人食べる事なく手術の終わるのを待っていた。

暫くして看護師さんが手術が終わったと待合室に呼びに来てくれた。

芳人さんと美智さんは執刀医の先生からの話があるからと呼ばれて行った。

「亜美、良かったね?翼君、頑張ったのよ!」

ママに言われ再び涙が溢れ言葉にできずただ頷いていた。

良かった… ありがとうございます。

翼を助けてくれてありがとうございます。

30分程すると芳人さんが戻って来た。

「皆んな心配かけたけど、思っていたより酷く無かった様だ。頭の方も出血が多かったが大丈夫らしい。咄嗟に受け身の体制を取ったのではないかとお医者さんも驚いて居たよ!だから亜美ちゃんも心配しないで今日は帰りなさい。」

「いえ、翼が目を覚ますまでここに居ます。」

「翼は暫く集中治療室に入るから家族以外会えないらしい。今は麻酔で眠っているし、暫くは目を覚まさない。翼が目を覚ましたら必ず連絡をするから?」と芳人さんは言う。

「亜美、ここに居ても迷惑になる。今日は帰ろう?」

パパに言われ仕方無く私は病院を後にした。