病院に着くと直ぐに緊急オペが始まった。

私はただ手術室の前で翼が助かる事を祈っていた。

お願いします。翼を助けて下さい!

私には翼が必要なの。お願いします。翼を助けて!

私は首に掛けているネックレスのトップのリングを握りしめただ願っていた。

「…ちゃん!」

お願いします。翼を助けて!

「亜美ちゃん!」

「翼を助けて!」

「亜美ちゃんしっかりして!翼はきっと大丈夫だから!」

誰が連絡してくれたのか恭之助さんがそこに居た。

「恭之助さん… 翼が…翼が…」

恭之助さんは大丈夫だからと私を抱きしめてくれる。

「美姫から連絡を貰って飛んで来た。もう直ぐ芳人さんと美智さんも来ると思う。亜美ちゃんは怪我はしてない?」

私は首を振る。

「私は大丈夫です…」

「そう、少し向こうで休もう?」

「いえ… ここに居ます。」

少しでも翼の側に居たい。

「亜美ちゃん、手術は始まったばかりだから何時間もかかるだろう?君がここに居ても何も出来ないよ?翼はきっと大丈夫だから、お医者さんに任せよう?」

恭之助さんに言われるまま待合室で待っていることにした。

待合室に行くとそこには一緒に救急車に乗り込んでくれた女性が居た。

私は女性にお世話になりましたと頭を下げた。

「恭之助さん、こちらの方が」

「亜美ちゃん、美姫だよ!」

恭之助さんは彼女を私に紹介する。

え?美姫さん?

「そうですか…私は立花亜美です…」

「杉山美姫です。あなたの事は恭之助や翼君から聞いてるわ!まさかこんな会い方するなんてね…」

「はい… もしかして翼と一緒に?」

「うん… 翼君にあなたのクリスマスプレゼントを選ぶのを手伝ってほしいって言われて…」

「そうですか… あの時、私が翼を呼ばなければ… 翼は事故に合わなかった… 私が…」

「亜美ちゃん違うでしょう?あなたのせいじゃない!あれは信号無視をして猛スピードで走って来た車のせい!」

「でも…私が翼を呼ばなかったら、翼は道路を渡って来る事は無かった… だから…」

「違う、違う!自分を責めないで!そんな事をしても翼君は喜ばないわ!」

美姫さんは私を抱きしめてくれる。

自分を責めてはダメと何度も言ってくれた。