隠してたつもりなんだけど…
「多分、母さん達も知ってると思うよ?」
え?お母さんも?
「姉ちゃんが高校の入学式から帰って来た時、母さんがいい友達が出来たみたいで良かったって凄く喜んでたから」
入学式から帰ってから麻美のことや誰かは分からないけど助けてくれた人がいる事をお母さんに話したっけ…
助けてくれたのは翼だったんだけど…
そっか… 家族皆んなが私を見守ってくれていたんだ。
嬉しいな…感謝しなきゃね!
「今は格好良い彼氏も守ってくれてるみたいだし、姉ちゃん良かったな!?」
「うん❣」
「じゃ、俺は寝るわ!後は二人っきりでどうぞ!」と一史は翼の部屋を出て行った。
一史が部屋を出て行くと
翼は「良い弟だな?ちょっと妬ける!」と苦笑する。
「うん、一史があんなふうに思ってくれていたなんて知らなかった」
「亜美、これ貰ってくれるか?」
翼は机の引き出しから小さな箱を出し開ける。
箱の中にリングが1つ。
そのリングには
You’re special to me. と刻まれている。
「亜美は俺にとって特別な人なんだ!さっき亜美のお父さんに言った事は本気だよ?でも、俺達はまだ学生だし直ぐにって訳じゃない、ただ俺の気持を分かってて欲しい。いつかその時が来たら、亜美に合う大きな石の付いたリングをプレゼントしたい」
翼…
目頭が熱くなり溢れてくる涙。
頬を伝うその涙を翼さが優しく指で拭ってくれる。
「翼、有難う。でも大きな石なんて要らない。このリングで充分。私は翼の側に要られるだけで幸せだから」
私達はいつの日か結ばれようと約束のキスをした。

