その日パパ達はゲストルームに泊めて貰う事になった。

パティーが終わった後もパパは芳人さんと仕事の話や若い頃の話に盛り上がり、ママと美智さんはママがイタリアの若い男性にナンパされた話で盛り上がっている。

私と一史は翼の部屋で3人話をしていた。

「えっ?!一史って翼の事知ってたの?」

「うん、クラブチームでも坂井先輩は有名だったからね?」

私は初めて知った。

翼がサッカーをやっていて一史と同じクラブチームに入っていた事を。

「父さんもサッカーをやっていてね、俺の名前も父さんがサッカーの漫画からとったんだ」と翼が教えてけれる。

だから翼?

「中学まではクラブチームに入っていたんだけど、プロになる素質も無いからやめたんだ」

「素質がないなんて嘘だよ!?スッゲー上手いんだから!他のユースのチームからの誘いも合ったのに辞めたって聞いてる。ホント勿体無いよな!?俺だったら絶対辞めないのに」

「あんたはサッカー馬鹿だからね!」

一史の話にすかさずツッコミを入れる私。

「うるせー!」

翼には会社の事も合ったからだよね?

そんなに上手いなら、本当は続けたかったと思う。

だって普通の子供なら夢を見ると思う。プロへの道を…

「ホント亜美達は仲がいいな?俺、一人っ子だから亜美達が羨ましいよ」

翼は私と一史のやり取りを笑う。

「仲が良いのかどうか分からないけど、私は一史の事は好きだし、弟だけど尊敬してる。好きな事を一生懸命頑張れるって憧れるもん!ちょっと生意気な所あるはげどね?」

すると

「なんだよ?ふだん言った事無い事言うなよ!?照れるだろ?でも、俺も姉ちゃんの事、好きだよ!小さい頃虐められていても挫けなかった強い所、俺、尊敬してた。俺もイジメなんかに負けないって!」

「え?知ってたの?私が虐められてた事?」