私達が話していると麻美が心配して会場から出て来た。

「亜美、無事で良かった!」

と、麻美は私に抱きつこうとした。

「ダメ!ドレスが汚れちゃう!」

私の制服は倉庫にこぼれていた石灰で汚れていた。

閉じ込められた時転んで汚れたのだ。

麻美は「酷っ!」と石川君と水野君を睨みつけ、そして、

「着替えって無いよね?亜美どうする?」と聞く。

「私は裏方だから良いよ?心配しないで?」

「でも…」

心配している翼と麻美の背中をおす。

「ほら!翼、学園長の挨拶が終わったら司会でしょ?行って!麻美も楽しんでおいでよ?」

扉を開けて翼達を中ヘ入れようとしたら、木ノ下さんが会場から出て来た。

「あっ立花さん、間に合って良かった!早くこっち!樋口君少し時間持たせて!」

「了解!」

え?なに?
なにが了解なの?

私は木ノ下さんに手を引かれ生徒会室まで連れて来られた。

生徒会室には清水さんが待っていた。

「ぅわー汚れたね?これがあってちょうど良かったね?」

清水さんは紙袋から赤いミニのサンタドレスを出した。

「えっ?なに?」

戸惑う私に木ノ下さんが早く着替えてと言う。

「なんで私なの?」

良いから良いからと清水さんは私の制服を脱がせようとする。

「分かった自分で着替える」と言って私は仕方なく着替えをする。

「イケメンの坂井君を格好良くしてもさ面白くないじゃん?だったらいつものイメージと変えようって事になったのよ!」と清水さんが話してくれる。

「だから翼はあのトナカイ?」

「そうそう可愛かったでしょ?」と木ノ下さんが笑って言う。

「うん、ウケた!」

「だったらいつも地味な立花さんもイジらなきゃって事になってね!?」

「で、これ…」

短すぎるでしょ!?

だってちょっと屈んだだけでパンツ見えちゃうよ?

見せパンだからと言ってフリルのいっぱい付いたパンツを履かせてもらったけど…

はぁ… こんな格好で人前に出ていけないよ?

戸惑って居るとあれよあれよと、三つ編みをしていた髪も解かれた。

「思った通り素敵!」

「本当!後はこれね?」

「これはダメ!絶対にダメ!翼に怒られるの!」

木ノ下さんと清水さんには私の意見は却下された。