「あっそうだ!翼、グランドのツリーの飾り付けの人手が足りないって!」

今年は今までより大きなツリーにしたので、用意してあった飾りの量だけでは少ない為急遽手作りで増やす事にしたのだ。

翼に隠し事をしている為キョドってしまわ無いように気を張っている。

だから翼に側に居られると疲れてしょうがない。

翼が私達の企みに気が付かない様に仕事をさせとかないと!

「了解!行ってくるよ」

私は再び生徒会室を後にしようとする翼にホッとし、樋口君に木ノ下さん達の事を聞く。

「ねぇ、樋口君、あのふたりどこでやってるの?」

木ノ下さんと清水さんは被服室で翼の服を作っているとばかり思って居たから、昨日体育館の準備の合間に覗いたけど居なかった。
今朝も登校して直ぐに覗きに行ったけど居なくて、一度も生徒会室にも顔を出していない。

「坂井にバレるとマズイから木ノ下さんの家でやってる」

「え?木ノ下さんの家で?どうしよ?私手伝いに行った方が良いよね?樋口君、木ノ下さんの家知ってる?」

「いや、知らない」

クラス委員の中に誰か知ってる人居るかな?

「どちらにしても立花さんがここを離れるわけに行かないでしょ?連絡係だし、君が居なくなったら、坂井が勘付くよ?」

「だよね…」

「ふたりに任せよ?」

そうだよね、ふたりに任せるしかないよね?

生徒会室を出て行った翼が戻って来た。

「おい!樋口お前も来い!」

と翼に呼ばれ樋口君も一緒に生徒会室を後にした。

木ノ下さん清水さん宜しくね…

結局、準備が終わる頃になっても木ノ下さん達は学校に顔を出す事はなく、翼には車が故障して今日は戻る事が出来なくなったと連絡があったという事にした。

なんとか誤魔化したけど翼の衣装大丈夫かな?

手伝いに行くにも翼にどこに行くんだって聞かれるだろうし…

無事に完成するのを願うしかないかな?…