亜美は坂井に付いてエレベーターに乗り込むと疑問に思っている事を聞いてみた。


「あの…おじさんってパパと友達なんですよね？」

「そうだよ。大学からの友人だよ」

「こんな立派なマンションに住んでるって事は凄いお金持ちですか？」

「アハハハ。会社を経営してるけどそんなにお金持ちじゃないと思うけどね」

「社長ですか？　凄ーい！」

「亜美ちゃんのお父さんが勤めるような大きな会社じゃないけどね」

でも凄いよ！　こんなコンシェルジュの居るマンションに住めるんだもん町工場の社長じゃないでしょ？　
おじさんって言うよりおじ様だよね？　うん！　おじ様って呼ぼう！


そんな事を考えているとエレベーターは最上階の35階に止まった。

エレベーターを降りるとドアはふたつしか無い。


よっぽど広い部屋なんだろうなぁ…