「えー、なに武。そういえば武って足立さんと仲良かったっけー」

「そうなんだ。足立さんってあんま普段目立たないし、知らんかったわ」

「それが普通じゃない?地味だし」




楽しそうに笑う声。
さっきまでの楽しかった気持ちも、なんだかウソみたいに沈む。



「誰かと一緒だった?・・・ん?そこで待ってる人?」



武くんが私の後ろを覗き込む。
私も後ろを見ると、一条さんが少し離れた場所で立って待っていてくれている。

戻らなきゃ。
待たせたくないし、これ以上、私もここに・・・。



「ん?どっかいく話にでもなったか?」

「え・・・?」



一条さんと不意に視線が合わさると、そう言って一条さんが近寄る。