背伸びして、キス



「おい、一華!ちゃんと説明しろ!」

「え?な、なにが・・・?」



お昼休み、涼子ちゃんと今日は中庭で食べていると、慌ただしくやってきた武くんに問い詰められた。
ちゃんと説明って、なんの・・・。



「王子さまって、なんだよ!」

「それは、だから、違うって・・・」

「最近元気ないの、その人のせいでしょ?気になってんじゃん」

「涼子ちゃん・・・っ」



呆れたような声。
元気ないつもりはなかったけど・・・。
やっぱ、気にしてるのかな。



「な、元気ねぇの?そいつのせい?」

「違うって・・・。その、偶然コンビニで出会った人がいて」

「そいつの事が・・・好き、なのか」

「好きとか、そういうんじゃ・・・。話しやすいから、ちょっと気になってるだけで」





好きかどうかなんてわからない。
あった時間も回数も数える程だし。
それで、好きになるっていうのも早すぎるよ。


でも、どうしてこんなに気になるんだろう。




「どんな奴!?」

「え、どんなって・・・」