背伸びして、キス



「おはよー。って、うわ。うるさいのが来た」

「あ、涼子。おは!うるさいは余計だ!」

「あんたがいなくて静かで平和だったのに」



涼子ちゃんが登校し、うんざりした顔で武くんを見る。
涼子ちゃんは、武くんに容赦がない。

二人のやり取りは見ていてとても楽しい。



「それより、残念だったわね。武」

「は?」

「あんたがぼさっとしている間に、一華には素敵な王子さまが現れちゃったんだから」

「ちょ、涼子ちゃん!」




なんでそんな事。
それに、王子さまとかじゃないし。




「はあ!?なにそれ!ちょ!マジ!?」




武くんが衝撃を受けた顔で叫んだ。



「ち、違うよ!違うから!」



私は必死で訂正する。
でも、武くんは魂が抜けたみたいにガクッと肩を落として呆然としていた。

ええー?