一条さんの長い指が煙草を挟む。
色っぽく思える動作で口元に運ばれたそれを、ぼんやりとした雰囲気で吸い込む。
その一連の動作を、食い入るように見つめてしまった。
「穴が開く」
「えっ、はっ!な、なに言ってるんですか!」
「お前、いちいち反応でかいな」
「・・・だ、だから」
違うのに。
なんだろう。
だめだ、調子狂う。
「お前はさ、なんにそんな悩んでんの」
「え・・・」
「悩んでるわけじゃねぇの?俺なんか引き止めて、こんなところでココア?飲んで」
悩んでる、んだろうか。
どうしてそれを、この人は気づいてくれるんだろうか。
なんとなく?
ただの勘?
「わかりません・・・」
「まぁ。悩んでるわけじゃないならいいけど」


