「あれが、一華ちゃんの彼氏かぁ」



シフトの終わりが一緒だった時東さんが、着替え終わった私を店の裏口で待っていた。
私は何も答えずにそのまま前をすり抜けて歩き出す。



「あの女、知り合い?って、違うか。あんなショックうけてたもんね」

「・・・」

「なんか、ただならぬ空気だったよな。俺一華ちゃんと変わって料理運んだけど、ただの友だちって感じには・・・」

「からかいたいだけならやめてください!ついてこないで!」



泣きたい気持ちを抑えて私は叫ぶ。
そんなのわかってる。
なんとなく、あの人はあの工藤さんみたいな職場の人とかじゃない。

わかんないけど、わかるの。
なんとも思ってない人への態度とは違った。



「俺だったら、他の女を自分の彼女のバイト先になんか連れてこない。例えなんの関係のない友だちだったとしても。そんな心配させるようなことしない」

「・・・っ」