でも、それも長くは続かなかった。
高校に入った俺たちは、中学の時より増えたクラス数により別のクラスになって、それぞれの学校生活が始まった。
クラスのやつらとつるんでいれば、そこに広美は入りづらく、それは逆も然りで。
小学校から同じ奴らで囲まれた中学生までとは違うのだと気付かされた。
それぞれの毎日。
俺と広美の日常はあまり交わることがなくなっていった。
それでも、会えば以前のように話していたし。
どうにか、昔みたいな特別でいたいと必死だった。
気持ちを伝える勇気もないくせに。
広美の中でも、きっと同じだと決めつけて。
なにも行動には起こせないでいた。
広美は短大に進んで、俺は別の大学。
通う場所すら離れてしまってからは早かった。
会う日が減り、言葉を交わすこともなくなって。
約束しなくても会えていたあの頃に戻りたいと何度も思った。
側にいるのが当たり前で。
これからも一緒にいるのが当然だって。
心のどこかで、安心してた。
でも、現実はもっと動いていたのだと。
立ち止まっていたのは俺だけで。
周りも、広美でさえも、前に進んでいたのだと。
22歳の時、思い知らされた。


