背伸びして、キス



「懐かしいな・・・こういう雰囲気」


活気あふれるというか、若いというか。
ああ、そうだ。
青春ってやつ。


一華にもらった招待券を受け付けに渡して一般応援席に行く。
人は結構まばらだったけど、さすがに一番前は気恥ずかしくて控えめに2列目にした。
周りは案の定というか、高校生の親世代が多くて。
でも、中には親戚なのか、それとも俺みたいな恋人なのか、俺と同じくらいの人もいる。

どちらにせよ、居心地はいい方ではない。
ものすごい、場違いな感じだ。



でも。
槙原に言われて思った。



本当は一華は、両親に来てほしかったんじゃないか。
仕方ないと諦めはしていても、見てほしかったんじゃ・・・。


両親じゃなくて、俺でも少しの役に立てるなら。
誰かに見てもらえるっていう感じだけでも受け取ってもらえたらいいと思う。



子ども扱いしていないとかいいつつ、そんな風に思ってしまうのは、やっぱり俺がいい年下大人で、一華が青春まっただ中の高校生だからだろうか。