「でも、その代わり・・・。手を抜くなよ。本気で勝つ気でやること」

「う、うん!」

「ちゃんと、見ててやるからな」



小学生の低学年まではおばあちゃんが来てくれてた。
でも、おばあちゃんは足が悪くて、無理させてるかもと思うと申し訳なくて来なくていいよって私がいった。

それからは、誰も私を見に来てくれる人はいなかった。
お昼は先生と一緒に食べた。

中学からは、お昼は生徒だけだったから平気だった。



友だちが、親が来てるのがウザいって言ってるのがよくわからなかった。
ウザくても、来てくれるだけいいじゃないかって思った。
私なんて、来てもくれない。





でも、今年は洋介さんが来てくれるんだ。
保護者としてじゃない、“恋人”としてだけど。



それでも、私を見てくれる人がいるって思うだけで幸せだった。




頑張ろうって、こんなに思えるものなんだ。