洋介さんのためにはその方がいいんだって・・・。
やっぱり私は子ども過ぎたんだって。
「先輩の気持ちには、うすうす気づいてた。でも、先輩ってのもあったし、下手にこじらせたくなくて何の行動も移してなかった」
「うん」
「たぶん、バーベキューに一華を連れて行ったのがスイッチ押させたんだと思う」
「相手が私だったから?」
子どもで、洋介さんの足手まといにばっかなってる私。
「あの人、たぶんプライド高いからな」
「そっか・・・」
「これからはちゃんと守るから。工藤さんの事は、俺が何とかするし。一華が心配しなくていい」
「・・・うん」
ホッとする。
いろんなことをぐちゃぐちゃと考えて押しつぶされそうだったのが一気に解放された気分。
「一華も、もう少し自信持てよ。わがままだって、言っていいんだから。社会人とか学生とか気にするなって言ったろ?」
「・・・うん」
「こんなに泣いて・・・」
両手で私の頬を撫で涙をふき取ってくれる。
その掌が優しくて思わず笑った。


