背伸びして、キス



「確かに、付き合って長ければ、頼ったり甘えたりできたんだろうけど。まだ一か月くらいだろ。俺にとってはまだかっこつけたい時期なんだっつの」

「・・・洋介さん」

「あ?」

「可愛い・・・」

「は、はあ!?」



だって、なんだか、可愛いって思ってしまった。
そんな風に思ってたなんて。

私だって、洋介さんには可愛いって思ってもらいたい。
その気持ちは、洋介さんにもあったんだ、同じだったんだって。



そう思ったら、すごく洋介さんが愛しく思えた。




「・・・俺が倒れたって、誰に聞いた?」

「工藤さん・・・」

「・・・は!?」

「電話した、洋介さんに・・・。そしたら、工藤さんが出て、洋介さんが倒れたって」

「電話って・・・俺のスマホにだよな?」




言わないほうがいいのかな・・・。
でも、嘘はつきたくない。
私はコクリと頷いた。