背伸びして、キス



「それは、恋ね」

「―――えっ!?」




お昼休み、涼子ちゃんと教室で食べながら話をしていた。
あの人、一条さんの事を話すときっぱりそう断言された。

涼子ちゃんって、すごくはっきりしてる。
ありかなしか、黒か白か、みたいな。



「そ、そんなんじゃないよ・・・」

「でも、会えて嬉しかったんでしょ?」

「それは、そうだけど」



ようやく名前を知っただけの相手なのに。
恋なんて、よくわからないし。




「ただ、なんとなく気になる・・・それじゃ、変かな」

「変だよ。どうも思ってない人の事なんてそもそも気にならないし」




・・・そうなのかな。