背伸びして、キス



カラオケの外まで逃げ出すと入り口から離れ涙をぬぐった。
なにしてるんだろう。
気分を紛らわせようと思って出てきたのに。


武くんに、一条さんに言われたようなことを言われて思い出しちゃった。
他の人から見ても、やっぱりそうなんだって改めて思わされて。



私が一条さんの事を好きなことは、やめた方がいいことで。
不釣り合いで、分かり合えないって。


そうじゃない。
それでもいい。

そう言ってもがいて叫びたいのに。



でもそれは。
ただの私のわがままで。
子どもな私の身勝手さで。




「・・・足立?」




それでも、やっぱりあの人の声を求めて幻聴なんて・・・。




「おい?」




・・・幻聴なんて。




え、本物・・・?




顔をあげると、そこには本物の一条さんがいて。
ギョッとしたように私を見ている。