『彼女が新しく着任されることになった月神 破月中尉です。』

月神が舞台の上に舞い降りた途端にカメラの激しいフラッシュが月神の姿を、あますことなくとらえ、その中に映像として焼き付けていく。
司会が月神の元に歩み寄りマイクを渡す。
月神はマイクを受け取ると静かに自己紹介を始めた。

破月「・・・初めまして、先程ご紹介にあずかりました月神 破月と申します。イギリス支部からこちらの東京支部に配属されてきました。こちらでも今まで通りゼウスのパイロットとして誇りを持ち職務を全うする所存です。よろしくお願いします。」

『・・・あ!?・・・えっ月神さん!?・・・まだ終わってないんだけど・・・っ!・・・え!?』

事務的な内容の自己紹介を終えるとそそくさとマイクを司会に渡し舞台の裾に消えていってしまう月神の姿を会場内に居る全ての者が唖然として立ちすくんでいた。

破月「・・・はぁ」

気が重いのか頭を押さえながら溜め息を吐く。
早くこの場から離れたくて月神はそそくさと裏口から会場を出た。