四季のいたずら



あたしは足を1歩前に出し、歩き始めた。



校舎裏に着くと、中学生だった今までの思い出が脳裏に描写されて目頭が熱くなった。



「思い出に浸ってるの?」



聞き慣れた声がまだ少し冷たい春風に乗って耳に入り、あたしは振り返った。



「しょう......」



そこには、片方の口角を上げて笑うしょうがいた。


あたしはいつの間にか彼の名を口にしていて、「なんで......?」と訊き返した。



「たまたま見かけたから。おうは?」


「知らない。どっか行ってよ」



もう3時になる。


さっきメールを送った人......なつが来るからはやく行って。



「なにそんな怒ってるの。俺なんか悪いことした?」


「っもう!!何も怒ってないから!」


「怒ってるじゃん」



たぶん、もう3時になった。


なつ来ないな。



あたしはしょうの背を押して向こうへ追いやった。



その後はなつが来るのを待っていた。


だけど、結局なつは来なかった。



その日、あたしはそのまま家に帰った。


女バスの子に集まろうって声をかけられたけど断った。



なつ、なんで来なかったんだろう。



さっきからなつの名前しか出てこない。


こんなにも、あたしはなつでいっぱいだ。


なつは、どう思ってるの?