あなたを愛して




「彩果っ、がんばろーね!」


「う、うん‥」


同じクラスの友達が背中をポンと叩く。


練習でもあまりいい結果が出せなくて、自信なんかこれっぽっちもないよ。


「‥はぁ」


私は再び大きなため息をついた。


すると


べしっ!


「いてっ!な、なに⁉︎」


後方から誰かに頭を叩かれて、思わずよろけてしまった。


振り返るとそこには秋葉の姿が。


「なにすんのよ!!」


「気合を入れてやろうかと思ったら手が滑ったわぁ」


「てめぇ」


「ぅわ、下品。そんなんじゃ直也に嫌われちゃうぞ」


「う‥っ」


ビンタしようと振りかざした手をおろす。