俺には消えない名前があるから。



忌み嫌われた俺にも、意味があるとするならば。



この日のために、生まれてきたんだろう。



擦れ切るほど、走り続けた。



やっと、やっと、着いたよ。お前の愛する故郷に。



親友の恋人まで、あと数キロ。



ガタン、と足が傾く。



走った、転んだ。



立ち上がる暇もなく、襲いかかるのは無数の罵声と暴力。