花火大会の日。 ある女の子は浴衣を着て彼氏と一緒に出かけるらしい。 知り合いの男友達も、待ってましたとばかりにるんるんと話しかけてきた。 住むマンションの最上階から遠目に眺める花火は、とてもきれいで。 だけど遠くのマンションに隠れて、1分に1、2個程度しか見えない。 甚平を着て、あの遠くで弾けるたくさんの花火を、あの子と一緒に見たかったな。 そう思いながら、今年も花火の輝きと音を呆然と眺めた。