目を開けると

知らない男の人が 

私の顔を覗きこんでいた。

「……ゆーたん?」

「え……?」

ゆーたん?もしかして私のことだろうか?

私の名前は結羽(ゆう)

結羽だから ゆーたん?

この人を私は知っているのだろうか


……思い出せない。


心配そうな目をして私をずっと見ているこの人のことを

私は

知らない


「…あの、どなたでしたっけ…?」

私がそう聞くと 傷ついた顔をした。

目が潤んでいる。この人、泣くの?

「…そっか 失敗しちゃったのか…そっか。」

そう言って 男の人は去っていった。

私はなんであの人とここにいたんだろう。