紫煙のむこう

「えーっと、今年からこの京南高校に来た、
堂上 慧です。3-2の担任をさせてもらいます。
よろしくお願いします。」

そう当たり障りのないコメントを言った先生は、相変わらず少し緩い感じだった。

堂上先生、っていうんだ。
たぶんモテるんだろうなー
…というか、やっぱりあの先生、うちの担任なんだー

そう思ってぼーっと先生を見つめていると、
後ろから真由が呟いてきた。

「あれは、たぶんモテるねー
うちの担任サマかー」

高1からの付き合いですっかり仲良くなった私たちは、考え方が似ていた。

「あ、私も思ったー」