(ここ…。どこだよ。)



 目が覚めると僕は崖で横たわっていた。



 「なんで崖!?」



 下を覗き込んでみると、霧がかかっていてよく見えない。



 辺りを見回すと、下へ降りられそうな足場があった。



 (とりあえず下にいったほうがいいか。誰か探そ…。)



 僕は、早速一歩一歩ゆっくり下った。



 一番はじめの足場から下まで意外と長いように見え、さらに霧がかかっているため、一歩でも踏み外せば即死だ。



 (これは、夢なのか?夢ならば、落ちても死なないはず…。)



 夢なのかどうなのか知りたくて、わざと踏み外そうかと思ったが、現実なら…と思うとぞっとしたのでやめておくことにした。