本世界

 「そうそう、界綺。」



 「何?」



 「ただ本の中に入ってボーッとしてるだけはだめよ。王子から姫を奪うとか、話を変えてしまうのもだめ。本の中に入るからには、物語通りになるよう、話を進めないといけないの。」



 「え、そうなの!?じゃあ、僕が知らない物語とかどうしたらいいんだよ…!」



 「インターネットで調べて。大まかにしってるだけでも、頭を働かせれば最後までいくわ。」



 (そんな簡単にいくわけがない…。まあいつも本自体あんまり開くことないし大丈夫か。)



 「いや、この能力を授けたことによって、本を開けたくなる衝動にかられることがあるわ。副作用?っていうのかしら。」



 「そうなの!?…じゃあ開けたくなったらすぐ調べないといけないのか…。」



 「ええ。あ、ちなみに電子書籍とかは入ることは出来ないから。」



 「わ、わかった…。」

 
 「はい、じゃあ界綺、さようなら。」



 「え!?」



 「何?」



 「いや…、急にさようならって言われても帰り方だってわからないし…。」



 「それもそうね。ここも本の中だから、もとの世界に戻るにはある事をしないといけないのよ。」



 (ある事…?)



 「右手に力を込めて。炎をだすような感じで。」



 「こ、こう?」