豪華なレッドカーペットに足を踏み入れ……
ドキドキしながらも女王様の姿を見つめたのだ……。

「サホ。魔王討伐は?」

「無理でした!」

そう言うしかないじゃん?
そう言う他ないじゃん?

「……この王家の中では優秀すぎる勇者なのになぜ、魔王討伐が出来なかった?」

女王様の白くて冷たすぎるため息。
左の薬指は、アメジストの指輪か……。

「剣の構え方おかしいとか~アイス舐めてたんでさ~無理だったんです!」

わたしはスネた。

だってだって魔王やる気ないんだもん

「……はぁ。そうならそうか。
明日は氷柱遺跡に行けよ」

「何するんですかっ?」

「討伐だ」

冷たすぎる女王の瞳とボイス
身も心も凍っちゃうよ……。

「わっかりましたぁ……」

口をアヒル口にして、女王様の頼みを聞いたんだ。

薔薇香、アイス取ってきてくれたかなぁ

「引き取られよ」

「では、失礼します」

去りました、名無しの勇者

しょせんは、さすらいの身だから。

明日はつららいせき、かぁ。

優秀だったり、じゃなかったり大忙しだね
わたし。

勇者のわたし

            おわり