ときたま囁く君の声もまとめてあたしのもの。
髪の毛もいただいちゃうぞっ?
余裕で校則違反の白髪を藁人形に入れちゃうぞ
っ。
「ねーねー京夜はあたしのもんだからねっ?」
口だけ束縛のあたしたち。
だけどまだあたしたち、まだお友達状態なの。
「分かってるって」
手をしっしっ、とするのは彼の癖。
やめなさいよ、と言いたくても癖にはあらがえないでしょ?
でも……でも。あたし、恋人とかそーゆーの
分かってないのかなっ……
「……京夜君っ」
「みり、うるさい」
頭なでてからのデコピン。痛い。
あたしの頭はおはじきじゃないんだからね。
「京夜ぁ……死ねっ」
膝あたりを蹴って、京夜を転ばせたあたし。
人通りあまりない廊下で何してるんだろう。
そう気づくにはもう気づいてるし。
結ばれそうな気しても、結ばれない微妙すぎる関係。