「……風見。やっぱ出会いは自然に任せるよな」

彼方……と思ってしまったが、恋愛感情なんてない。
やっぱドキドキするのは容姿じゃないな。

触れあうときにドキドキするかしないかが決まるなぁ。

「あぁ……」

その声はため息を漏らしながら、答えた。

夢見る乙女が持つ、恋愛小説文庫本を握りしめて。

            おわり。