聞きたいけど、やっぱり勇気が出ない。
でも、せっかく嬉しい言葉をいただいたので、自分の都合のいいように解釈することにした。
冬になったら、俊くんと肉まん食べられるらしい。うへへ、やったね。今から冬が楽しみだ。
滲み出るニヤけを誤魔化すために、唐揚げとかドーナツも美味しいよとそれとなく布教しておいた。
いつか一緒に食べてくれるかな。
怖くて、まだ約束はできないけど。私がいないときにでも、私の話を思い出して、いつか買ってくれたらそれだけでも嬉しいな。
店内を出たあと、まだ俊くんのバイトまで時間があるみたいだから、コンビニ前でうさぎチョコを食べることになった。
俊くんの男の子っぽい大きな手が、小さなうさぎ型のお菓子を持っている光景は、なんだか可愛らしかった。写真撮りたい。
俊くんはうさぎチョコを口の中に放り込むと、無言で咀嚼した。感想がすぐに出てこないのはもうわかっているので、私も食べる。



