「まあまあ、座んなさい、佳菜。ウチらが話聞いたげるよ」
璃子に促されて、近くの席に座る。見ると、同じグループのふたりは優しい目でこちらを見ていた。
「……別に話すこともないよ。気にしないで」
こういうとき、なぐさめてくれる友達がいるのはありがたいことだけど。
思い出すだけ落ち込むので、むしろ話したくなかったりする。
「参ってるわねえ、佳菜」
すると突然、グループのもうひとりのマナミが口を開いた。
マナミは美人だ。メイクとかで誤魔化してる私とは違って、本物の美人。あと、私たちの中で唯一彼氏がいる。しかも歳上の大学生。
うちのグループは派手で目立つけど、残念ながらあまり恋愛っ気はない。
マナミはなぜか微笑んでいる。なんだろう、ミステリアスで大人っぽい雰囲気は彼女の魅力だけど、今日はなんだかそれが怖い。



