あんな神々しいイケメンとは普段接する機会がないので、私は内心興奮していた。
涙とかいつのまにか引っ込んでいた。目に良いものを見た!と、幸運に出会った気持ちでそのまま帰路に着いた。
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「佳菜〜、聞いたよー。先輩に彼女できたんだってね?」
次の日学校へ行くと、開口一番にいつものメンバーのひとりである、璃子にそう言われた。
「……そーね」
再び傷をえぐられて、思わずトーンの下がった声が出る。
テンションの低い私を見て、璃子がうんうん頷きながら「つらいねえ〜大丈夫か〜」と言って抱きしめてきた。
「うん……まあ、大丈夫。割とね」
昨日いっぱい泣いたしね。一晩経ったらなんか割と元気になった。
あと昨日のイケメンの衝撃がデカイ。言わないけど。



