彼氏の好きなヒトになる方法




そう思ってた。思い込んだ。


それなのに、ふたりの後ろ姿を見かけてしまった。


本当だったのかぁ、とどこか他人事みたいに感じた。自分の運の悪さを恨んだ。



知りたくなかったのに。



先輩が長年ひとりの女の子に片思いしていたことも、その人に告白されて、今の先輩は誰が見てもわかるくらい浮かれてるらしいってことも。


知りたくなくても、噂になって私のもとへやってくる。



信じたくなかったのに。



彼女と一緒に帰ってるときの先輩の表情を見たら、事実を受け入れざるを得なかった。



「それで……そのまま公園に行って、ひとりで泣いてた。だ、誰も来ないだろうと思ってたからさ。……その、恥ずかしいとこ見せてごめん」



あはは、と誤魔化すように笑う。


俊くんは「そっか」と小さく相槌を打った。