「え、ええと、その……私は昨日と同じように、俊くんとのんびりお話しできたら、それでいいからね」
いつもより音量を上げて言うと、俊くんが少し驚いたような顔をする。
『だから気を遣わないで』という意味をとらえてくれたかな。
「……………………」
俊くんは私から顔を離すと、少しの間、黙って私を見つめていた。
そして、10秒ほど経って店員さんに呼ばれる直前、ようやく彼は「わかった」と短く返事をしてくれた。
それを聞いて、ちょっとホッとする。
どうしてさっきまであんなに焦ってたのかはわからないけど、俊くんにはどうかマイペースでいてほしい。
俊くんが落ち着いてくれてるから、私も落ち着けるんだ。ゆっくりのんびり、しっかりと『楽しい』を見つけていける。



