「あ、ごめん! そうだよね、外でこういうの、嫌だよね」
「あ、いや、それはもう今更っていうか……」
そういう抵抗感は、さっきカフェで自ら拭い去ったので割と吹っ切れている。
佳菜は慌てて俺から離れると、恥ずかしそうに「浮かれててごめんね」と言った。
「…………」
俺がその場に立ち止まると、佳菜も首を傾げて立ち止まった。
午後八時前、あたりはもう陽が沈んで薄暗い。
駅からだいぶ離れて人通りも少ない道に入ったから、あたりは静かだ。
「……佳菜」
「え? ……っわ!?」
佳菜の腕を引っ張って、適当な路地に連れ込む。
暗がりでぎゅっと抱きしめると、佳菜が「しゅしゅしゅしゅっくん!?」と名前になってない慌てた声で俺を呼んだ。



