本当に情けない。
たぶん、そういうところなんだ。俺の悪いところ。
昔のあの子に、『三谷くんは優しくしてくれたけど、それだけだった』って言わせた理由。
なげやりで表情筋死んでて、自分の感情にすら無頓着で、相手の心に踏みこむことまで面倒くさがって、大事にしてるつもりで相手の好意に甘えきって。
こんなんじゃ『つまんない』ってフラれて当然だ。
いつか佳菜に愛想尽かされたって文句言えない。
……でも、佳菜にだけは愛想尽かされたくないんだよ。
「……ええと、あの店員さんが気を利かせて俊くんに知らせてくれたんだね。でも全然気にしないでほしいというか、むしろキツく言い返しすぎて泣かせちゃったくらいで……」
「気にするよ」
意識して、大きな声で言った。
俺の言葉に、フロアが一瞬静まり返る。
佳菜以外の、たぶん俺目当てで来ている客たちからの視線を一斉に感じた。
俺は目立つのが嫌いだけど、今はそれより佳菜を笑顔にさせられないダメな自分の方が嫌いだから。
「佳菜は俺の大事な女の子だから、何かあったら気にする。何かなくても、ずっと気にしてるよ」
佳菜は目を見開いて、また固まった。



