「……俊くん、俊くん」
不安になっている俺の背中に、女性の先輩店員が声をかけてきた。
その言いづらそうな雰囲気に、俺の本能がこれはきっと嫌な知らせだと警告してくる。おそらく、いや絶対佳菜絡みの。
「……な、なんですか……」
「さっき、トイレの近くのテーブル片付けてて聞こえてきちゃったんだけど……」
「…………」
「トイレの前でさ、俊くんの彼女さんがあの女子高生たちに絡まれてて」
先輩の話によると、泣いてしまった女の子をかばうように立った二人が、
『どうせ、三谷くんの顔がいいから遊びで付き合ってるんでしょ?あんたみたいな性格悪い女より、この子の方が合ってるっつーの!』
などとケンカ腰で絡んでくるのに対し、佳菜は一切怯んだ様子を見せず、
『私の性格とかどうでもいいけど、“顔がいいから遊びで付き合う”ような女と俊くんが付き合うわけないじゃん。俊くんのこと馬鹿にしてんの?』
と、堂々と言い返したらしい。



