「じゃあ、これで……」
ぺこっと控えめにお辞儀をして、足早に俺の横を通り過ぎていった。
急な用事でも思い出したのだろうか。
俺はしばらく、彼女の後ろ姿を呆然と見つめた。
彼女が見えなくなってからも、頭の中で泣いていた姿とさっきの明るい表情が交互に浮かんだ。
「………あ」
思い出した。
そうだ。今日、サトシから見せてもらった女の子の中のひとりだ。
あの、無邪気に笑っていた写真の。
「…………………」
俺はおもむろに携帯を取り出して、その場でサトシに電話をかけた。
「ーーあのさ、今日見せてもらった写真の子なんだけど」
どうしてかは、自分でもよくわからない。
でも、そのとき確かに思ったんだ。
あの子にもう一度、会ってみたいって。
*
佳菜は一言で言うと、太陽みたいな女の子だ。



