そういう、考えても仕方がないことを延々と考えていたら。
"その子"の姿は唐突に目に入ってきた。
公園の出口の手前に差しかかり、何の変哲も無い茶色いベンチの背中が見えてくる。
たまにおじいちゃんが座ってのんびりしているのを見かけるそのベンチに、今日は見慣れない後ろ姿が座っていた。
………女の子?
派手な色のゴムで、高い位置に結んだポニーテール。揺れてきらきら光るピアス。
俺が普段、ちょっと苦手だなと感じるタイプの女の子が、両腕をベンチの背もたれにかけて空を仰ぎながら豪快に座っていた。
……リストラされて途方にくれるリーマンかよ……。
思わず、そんな失礼な感想が浮かんだ。
あまりに珍しい光景だったので凝視していたら、ふいに女の子の表情が歪んだ。
「………う」
えっ。
「うわあああん………」
えええええー………。
泣き出した。いきなり。小さく声を上げて。空を見上げながら。



